FPVの免許は「2枚」ある|人の免許と機体の免許、1枚の図で完全理解
⚡ 3行まとめ — 急いでいる人はここだけでOK
- 必要な免許は2枚。①人の免許(無線従事者免許証=アマ4級など)と②機体側の免許(無線局免許状=開局申請で取る)
- FPV用VTXの大半は技適がないため、②の途中で「保証認定」が必要。そこで系統図を提出する
- 2枚そろう前の通電はNG。VTXは電源を入れた瞬間に送信を始めるため、免許状が届くまで火入れは我慢
FPVの免許まわりの解説は世の中にたくさんありますが、初心者が混乱する原因はたいてい1つです。「免許」と呼ばれるものが実は2枚あって、それがごちゃ混ぜに説明されていること。この記事では、その2枚を最初から分けて整理します。この構造さえ頭に入れば、開局申請の解説記事がスラスラ読めるようになります。
1枚目:人の免許(無線従事者免許証)
「あなたという人間が電波を扱ってよい」という国家資格です。趣味のFPVなら第四級アマチュア無線技士(4アマ)以上。国家試験か養成課程講習で取得します(取り方の詳細)。
この免許証のポイントは一度取れば一生有効なこと。更新はありません。顔写真入りのカードが届きます。
2枚目:機体側の免許(無線局免許状)
こちらが初心者に馴染みのない方。「このVTX(送信機)から電波を出してよい」という、機材に紐づく許可です。これを取る手続きが、いわゆる開局申請。取得すると「無線局免許状」という紙が届きます。
1枚目との大きな違いは:
▦ 2枚の免許の違い
何の許可?
- 人の免許(従事者免許証)
- あなたが電波を扱う資格
- 機体側の免許(局免許状)
- そのVTXから電波を出す許可
取り方
- 人の免許(従事者免許証)
- 試験 or 講習
- 機体側の免許(局免許状)
- 開局申請(電子申請)
イチオシ有効期間
- 人の免許(従事者免許証)
- 一生(更新なし)
- 機体側の免許(局免許状)
- 5年(更新あり)
機材を替えたら
- 人の免許(従事者免許証)
- 何もしなくてよい
- 機体側の免許(局免許状)
- 変更申請が必要
| 商品名 | 人の免許(従事者免許証) | 機体側の免許(局免許状) | 評価 | |
|---|---|---|---|---|
| 何の許可? | あなたが電波を扱う資格 | そのVTXから電波を出す許可 | — | |
| 取り方 | 試験 or 講習 | 開局申請(電子申請) | — | |
| イチオシ有効期間 | 一生(更新なし) | 5年(更新あり) | — | |
| 機材を替えたら | 何もしなくてよい | 変更申請が必要 | — |
そして重要な仕様がひとつ。**1枚の免許状に、送信機(VTX)を複数台まとめて登録できます。**5インチ機のVTX、Tiny Whoopの内蔵VTX、ゴーグル用……と機材が増えても、免許状は1枚のまま「第1送信機」「第2送信機」と追加していく形です。これから申請する人は、手持ちの全VTXを最初から載せるのが手間もお金も最小になります。
間に挟まる「保証認定」——技適がないVTXの通り道
ここが最後のピースです。開局申請は本来、技適(技術基準適合証明)のある無線機ならスッと通ります。ところがFPV用のVTXはほぼすべて海外製で技適がありません。
技適がない機器を開局するには、「この機器は技術基準を満たしています」と第三者に確認してもらう保証認定(JARDなどの保証事業者)を先に受けます。そしてこの保証の審査に必要な書類が、FPV界隈で悪名高い系統図(VTX内部のブロック図)です。
- 系統図が手に入るVTX → 保証も申請もスムーズ(アナログ定番機やHDZero系)
- 系統図が手に入らないVTX → そこで詰む(DJI O4が現状これ)
つまり「VTXは性能の前に、系統図が手に入るかで選ぶ」が日本の鉄則になります。機種ごとの実情はVTX申請実績データベースにまとめています。
2枚そろうまでの時間軸と「やってはいけないこと」
人の免許を取る(数週間〜)
4アマの試験勉強〜合格〜免許証の到着まで。機体の組み立てと並行できます。保証認定→開局申請(1〜2ヶ月)
系統図を用意してJARD等の保証→総合通信局へ電子申請→無線局免許状が届く。免許状が届いたら通電OK
ここで初めてVTXに火を入れられます。それまでは組み立て・USB接続でのBetaflight設定・プロポのバインドまで。
まとめ——この構造だけ覚えれば勝ち
- 飛ばせる = ①人の免許 + ②機体側の免許(開局申請)
- ②の途中に、技適がないVTXのための**保証認定(要・系統図)**が挟まる
- 免許状1枚に複数のVTXをまとめて登録できる。手持ち機材は最初から全部載せる
- 2枚そろう前の通電は違法。焦らず、届いた日を初飛行準備の日に
手続きの実務(書類の書き方・費用・つまずきポイント)は開局申請コンプリートガイドへ。自分の機材に何が必要か迷ったら技適チェッカーで判定できます。
❓ FAQ — よくある質問
Q.プロポ(送信機)にも開局申請が要る?▾
不要です。プロポの2.4GHz帯(ELRSなど)は技適取得済みの製品を使う限り免許不要。免許が要るのは映像を飛ばすVTX側です。ただし海外通販の技適なしプロポは別問題なので、購入時に技適マークを確認してください。
Q.免許状の「5年更新」を忘れたらどうなる?▾
失効します。その状態で電波を出すと不法無線局です。更新(再免許申請)は期限の1ヶ月前までに行うルールなので、免許状の日付をカレンダーに入れておきましょう。
Q.友達の免許で一緒に飛ばせる?▾
無線局免許はその免許人の運用が前提です。あなた自身が資格と免許状を持っていない状態で「借りて」飛ばすことはできません。体験会などで例外的な運用形態はありますが、基本は1人2枚と考えてください。
Q.仕事で使う場合もこの2枚?▾
構造は同じですが中身が変わります。人の免許が三陸特以上、機体側が5.7GHz帯の業務用制度になり、アマチュアの免許との互換性はありません(詳細)。
▶ あわせて読みたい:アマチュア無線4級の取り方 / 開局申請コンプリートガイド / VTX申請実績DB
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