ドローンの飛行許可・承認申請のやり方|特定飛行とカテゴリーを解説
⚡ 3行まとめ — 急いでいる人はここだけでOK
- 「特定飛行」に当たる飛び方(DID上空・夜間・目視外など)は国土交通省の許可・承認が必要
- ゴーグルを着けるFPVは常に「目視外飛行」=特定飛行。屋外では補助者+承認申請が基本
- 申請はDIPS 2.0からオンラインで。飛行10開庁日前まで(余裕を持って3〜4週間前)に
機体登録と無線資格を済ませても、飛ばし方によってはもうひとつ手続きが必要です。それが飛行許可・承認申請。「どんな飛び方だと申請が必要なのか」から整理します。
※この記事は100g以上の機体(無人航空機)の話です。制度全体の見取り図はドローンの法律とルールからどうぞ。
「特定飛行」かどうかがすべての分かれ目
航空法では、リスクの高い飛ばし方を特定飛行と呼び、事前の許可・承認を求めています。
特定飛行の主な例:
- DID(人口集中地区)の上空 ※自宅の庭でも対象
- 夜間飛行(日没後〜日の出前)
- 目視外飛行(ゴーグルを着けるFPVはこれ!)
- 人や物件から30m未満の距離での飛行
- 地表から150m以上の高さ
- イベント(お祭り・展示会など)上空
- 物件投下・危険物輸送
これらにひとつも該当しなければカテゴリーⅠで、許可・承認は不要です。
カテゴリーⅡとⅢの違い
特定飛行をする場合、さらに「第三者の上空を飛ぶか」で分かれます。
▦ 飛行カテゴリーの比較
カテゴリーⅠ
- 内容
- 特定飛行に当たらない飛行
- 必要な手続き
- 許可・承認不要(機体登録は必要)
カテゴリーⅡ
- 内容
- 特定飛行だが第三者上空は飛ばない
- 必要な手続き
- DIPSで許可・承認申請(技能証明+認証機体なら一部免除)
カテゴリーⅢ
- 内容
- 特定飛行かつ第三者上空を飛ぶ
- 必要な手続き
- 一等操縦者技能証明+第一種機体認証が必須
| 商品名 | 内容 | 必要な手続き | 評価 | |
|---|---|---|---|---|
| カテゴリーⅠ | 特定飛行に当たらない飛行 | 許可・承認不要(機体登録は必要) | — | |
| カテゴリーⅡ | 特定飛行だが第三者上空は飛ばない | DIPSで許可・承認申請(技能証明+認証機体なら一部免除) | — | |
| カテゴリーⅢ | 特定飛行かつ第三者上空を飛ぶ | 一等操縦者技能証明+第一種機体認証が必須 | — |
ホビーの自作ドローンで現実的に関係するのはカテゴリーⅡまでです。カテゴリーⅢは物流などプロ向けの世界と考えてOKです。
FPVで飛ぶ人が知っておくべきこと
ゴーグルで飛ぶFPVは、操縦者自身が機体を直接見ていないため常に目視外飛行=特定飛行です。屋外でFPV飛行するなら:
- 補助者の配置が基本要件。機体を目視で監視し、周囲の安全を操縦者に伝える人が必要
- DIPSで目視外飛行の承認を取る
- DID上空や夜間も重なるなら、その分も併せて申請
申請の流れ(DIPS 2.0)
申請は機体登録でも使ったDIPS 2.0からオンラインで行います。
事前準備を確認
機体登録・リモートID搭載が済んでいること。10時間以上の飛行経験など、申請書に書く操縦者の経歴も整理しておきます(足りない場合は練習場や屋内での練習時間を積む)。
DIPS 2.0で申請書を作成
「飛行許可・承認申請」から、機体情報・操縦者情報・飛行の目的・場所・期間・安全対策を入力します。自作機(改造申請扱い)の場合は機体の仕様・写真の提出が必要です。
飛行の10開庁日前までに提出
不備があると差し戻されるため、実際は3〜4週間前の提出が安心です。自作機は審査に時間がかかる傾向があります。
許可書を携帯して飛行
許可・承認が下りたら、飛行時に許可書(電子データ可)を携帯。飛行日誌の記録も義務です(当サイトの飛行日誌ツールが使えます)。
申請以外にも必要な確認
許可・承認は航空法の話。飛ばす場所によっては別のルールも重なります。
- 小型無人機等飛行禁止法: 国の重要施設・空港周辺は別枠で禁止
- 条例: 公園でのドローン禁止など自治体ルール
- 土地管理者の許可: 私有地・河川敷・海岸などはそれぞれ管理者に確認
このあたりの全体像はドローンの法律とルールにまとめています。
❓ FAQ — よくある質問
Q.自作ドローンでも許可は取れる?▾
取れます。ただしメーカー機(ホームページ掲載無人航空機)と違い、機体の仕様や写真を自分で用意して審査を受けるため、時間と手間は多めです。フレーム・FC・モーター構成が書ける状態にしておきましょう。
Q.100g未満のトイドローンなら何もいらない?▾
航空法の無人航空機のルール(登録・許可承認)は対象外です。ただし小型無人機等飛行禁止法や条例は100g未満にも適用されるので、「どこでも自由」ではありません。
Q.申請にお金はかかる?▾
国への飛行許可・承認申請自体は無料です(機体登録には手数料があります)。行政書士に代行を頼む場合はその費用がかかります。
まとめ
- 特定飛行(DID・夜間・目視外・30m未満など)に当たるなら許可・承認が必要
- FPVは常に目視外。屋外では補助者+承認申請、まずは屋内・練習場が現実的
- 申請はDIPS 2.0から、余裕を持って3〜4週間前に
- 趣味目的では包括申請不可。都度の個別申請になる
SPONSORED
あわせて読みたい
5インチ自作の「本当の総額」全公開|買い物リストと見落としがちな出費【2026年版】
5インチFPVドローンを飛ばせる状態にするまでの現実的な総額を、機体パーツ・映像系・電源系・工具・法律関係まで全部乗せで公開。カートに入れ忘れがちなスモークストッパー・コンデンサ・充電器の電源、リモートIDまで、実際の買い物での落とし穴つき。
空撮・シネマCinewhoop入門|FPV空撮の始め方と機材の選び方
建物の中や人の近くを滑らかに飛ぶFPV空撮の定番「Cinewhoop」を解説。普通の5インチとの違い、機材構成、GoProやアクションカメラの載せ方、日本で飛ばすときの注意点まで。
はじめてガイド自作ドローンに必要なパーツ完全ガイド【まずはこれだけ】
FPVドローンを自作するのに必要なパーツを、役割・選び方・予算の目安つきでゼロから解説。初めての1機に必要なものがこの記事だけでわかります。
連載「ルール・制度」の記事
記事一覧をすべて見る →- 01ドローン飛行の法律とルール|日本で飛ばす前に知っておくこと
- 02ドローンの機体登録のやり方|DIPS 2.0での手順とリモートIDを初心者向けに解説
- 03FPVの免許は「2枚」ある|人の免許と機体の免許、1枚の図で完全理解
- 04FPVに必要な無線の資格とは?アマチュア無線4級と開局申請の流れを解説
- 05一等・二等無人航空機操縦士は趣味FPVに必要?国家資格の中身と要否判断
- 06FPV開局申請コンプリートガイド|系統図・保証認定・書類の書き方まで
- 07リモートIDとは?自作ドローンに必須の外付け機器・免除条件・選び方
- 08100g未満のドローンは規制なし?「自由に飛ばせる」の本当と嘘
- 09「室内なら免許不要」は間違い|Tiny Whoopにも開局申請が必要な理由と、賢いまとめ申請術
- 10ドローンの飛行許可・承認申請のやり方|特定飛行とカテゴリーを解説読んでいる記事
- 11DID地区(人口集中地区)の調べ方|地理院地図とアプリで30秒判定
- 12ドローン事故対応マニュアル|起こしてしまった最初の1時間にやること
- 13なぜ日本ではデジタルFPVが使いにくい?周波数帯の図で見る「本当の理由」
- 14ドローン保険は必要?賠償責任保険と機体保険の違いと選び方
- 15DIPSの飛行計画通報のやり方|特定飛行の義務・入力手順・よくあるつまずき
- 16DJIのFPVはなぜ「アマチュア無線で使えない」と言われる?3つの壁と合法3ルート
- 17FPVの免許・登録・保険、全部でいくら?法律関係の費用を総まとめ
- 18海外BNF完成機は「安い」だけじゃない|買う前に確認する3つの質問【実例つき】
- 195.8GHz規制緩和ウォッチ|FPVが免許不要になる日は来るのか【随時更新】
- 20ドローンの夜間飛行はどこまでOK?必要な承認・灯火・現実的なハードル
- 21ドローンを飛ばしていて通報・職務質問されたら|正しい対応と携帯すべき書類
- 22公園・河川敷でドローンは飛ばせる?場所探しのルールと確認手順
- 23ドローンの高度150m制限とは|「地表から」の意味と山・ビル・空港での注意
- 24お祭り・イベント上空でドローンは飛ばせない|「催し場所」ルールの範囲と例外
- 25山・国立公園でドローンを飛ばせる?森林・公園の管理者ルールと山特有のリスク
- 26海・ビーチでドローンを飛ばすルール|DID外でも残る4つの確認と塩害対策
- 27無線局免許状が届いたらやること5つ|電波利用料・写しの携帯・OSDのコールサイン
- 28無線局免許の再免許(5年更新)のやり方|期限・費用・忘れた場合のリカバリー
- 29VTXを買い替えたら「変更申請」|送信機の増設・取替の手続きと費用
- 30コールサインとは?FPVでの使い方|OSD表示という現代の名乗り方
- 31ドローンの条例の調べ方|航空法OKでも飛ばせない「自治体ルール」の探し方
SPONSORED
コメント・質問
記事への質問や感想をどうぞ。投稿は公開されます。個人情報や攻撃的な内容は控えてください。
コメントするにはログインしてください。
まだコメントはありません。最初の投稿をどうぞ。