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修理・メンテ中級者向け

はんだ付けリカバリー術|ブリッジ・イモはんだ・パッド剥がれの直し方

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08/22連載「点検・修理」の第8回です一覧を見る ›

⚡ 3行まとめ — 急いでいる人はここだけでOK

  • やり直しの基本は「フラックス追加→温め直し」。ケチらず足すだけで大半は直る
  • ブリッジは吸い取り線、盛りすぎも吸い取り線。1巻き持っておけば怖くない
  • パッド剥がれは終わりではない。予備パッドや配線の引き出しで救済できる

はんだ付けの上達とは、きれいに付ける技術より失敗を直せる技術です。ブリッジもイモはんだも誰でもやります。違いは「直し方を知っているか」だけ。この記事では症状別のリカバリー手順をまとめます。基本の付け方ははんだ付けの基礎から。

大原則——直す前にフラックスを足す

やり直しがうまくいかない原因の9割はフラックス切れです。一度加熱したはんだはフラックスが飛んでいて、いくら温めても濡れ広がりません。

  • リカバリー作業の前に、必ずフラックスを追加してから温め直す
  • これだけで「ツノが立つ」「まとまらない」「くすんで固まる」の大半が解決します
  • フラックスペン or シリンジタイプが使いやすい。終わったら無水エタノールで洗浄を

まず「良い・悪い」を見分ける

// はんだの断面でわかる良い・悪い ✅ 富士山型(良い) 裾野がなだらかに広がり一体化 表面はツヤあり ⚠️ イモはんだ(団子型) 球状に乗っているだけ 振動で剥がれる時限爆弾 → フラックスを足して温め直す ❌ ブリッジ(隣と接触) 隣のパッドと繋がった状態 通電すると部品が焼ける → フラックス+吸い取り線で除去 リカバリーの合言葉:直す前にフラックス。足してから温め直 せば大半は復活する
断面で見る3タイプ。富士山型が正解、団子とブリッジはリカバリー対象

症状1: ブリッジ(隣とくっついた)

FCの細かいパッドで起きる定番トラブル。放置して通電するとショートです。

  1. フラックスをブリッジ部に塗る
  2. はんだ吸い取り線をブリッジの上に置き、その上からコテで数秒加熱
  3. 余分なはんだが線に吸われて分離します。吸った部分の線は切り捨てて次へ
  4. 仕上げにテスターの導通チェックで隣接パッドと鳴らないことを確認

症状2: イモはんだ(濡れずに団子になっている)

はんだが山型・球型に乗っているだけで、パッドと合金になっていない状態。飛行中の振動で剥がれる時限爆弾です。

  1. フラックスを足す
  2. コテ先をパッドと線の両方に触れる角度で当てて2〜3秒待つ
  3. はんだが「ふわっ」と裾野を広げて富士山型になれば成功
  4. 直らない場合はコテの温度不足(大きいパッドは380〜400度・太いコテ先)か、パッドの酸化。いったん吸い取ってやり直す方が早いです

症状3: 盛りすぎ・はんだの除去

モーター線の交換などで古いはんだを除去したいとき。

  • 少量なら吸い取り線、大量(XT60や配線の除去)なら**吸い取り器(スッポン)**が楽
  • 太い線を外すときは、はんだを「除去する」より新しいはんだを足して全体を溶かして抜く方が安全。追いはんだは遠回りに見えて近道です

症状4: パッド剥がれ(最重症)

加熱しすぎ・こじりでパッドが基板から剥がれた状態。焦りますが、まだ手はあります。

  1. 予備パッドを探す:FCには同じ信号が複数箇所に出ていることが多い(例: 5V・GNDは複数パッドあり)。FCのピン配置図(メーカーサイト)で代替パッドを確認
  2. スルーホール・ビアから引き出す:剥がれたパッドに繋がる小さな穴(ビア)の表面を軽く削り、細い線ではんだ付けして引き出す上級技
  3. その信号を諦める:使っていないUARTなら塞いで運用続行も現実解
  4. 修理後は動かないよう接着剤やUVレジンで配線を固定(ストレインリリーフ)

これで直らなければFC交換ですが、「剥がれ=即買い替え」ではないことを覚えておくと財布が守られます。

FAQ

❓ FAQ — よくある質問

Q.何度もやり直すとダメになる?
A.

なります。同じパッドの加熱は3回程度までが目安。回数を使い切る前に、フラックス追加・温度見直し・コテ先の変更など「条件を変えて」やり直すのがコツです。

Q.鉛フリーはんだで組んだ機体の修理は?
A.

鉛フリーは融点が高く扱いにくいので、修理時は共晶はんだ(鉛入り)を足して混ぜると作業性が上がります。混合を嫌う流派もありますが、ホビー用途では実用上問題ありません。

次のステップ: はんだ付けの基礎 / スモークストッパー入門

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